6.配布方法や同封案内の活用術

情報発信にはネットが主流だからこそ、紙媒体であるニュースレターは、数ではなく配布方法の質を上げていく必要があります。

今回は、配布についてお届けしていきます。

ニュースレター会員の増やし方

一昔前なら、新規客向けにポスティングとか飛び込みなども考えられたでしょうが、ニュースレターはあくまでもツールの一つでしかないため、部数を増やすことが目的ではありません。ニュースレターの会員は、数を増やすことより質を高めていきましょう。

「目を通す手紙は知っている人からの手紙」と言われるように、いきなり送りつけられてもDMの様に即ゴミ箱行きになるだけです。見向きもしない人に送ってしまっても、コストが掛かるだけになってしまいます。

新規客よりも、一度でも接触のあった既存客の方が、10倍営業がやりやすいと言われています。なので、引き渡し後の既存客への配布は最低限必要でしょう。

それ以外だと、

  • 見学会などリアルなイベント時で接客したときに促す。
  • 会員制を設け、入会者に発行。

など、一度大きな接触があった方に送る方が読んでもらいやすいです。

 

ニュースレターの配布頻度

受け手側の個人差はありますが、紙媒体だと配布頻度は「1ヶ月に1回」が理想と言われています。ネット(ブログやSNS等)の場合は、「毎日(ほぼ日)」と言われています。

ネットからの情報の接触頻度が高くなっているため、紙媒体も頻度を上げたいところなのですが、制作やコスト面を考えると難しくなってくるため、「1ヶ月に1回」というところに落ち着いているようです。

隔月や3ヶ月に1回でも構いませんが、その分「忘れられる」率は高くなってきます。その場合、他の情報ツールを使い、接触頻度を高めておいた方がいいでしょう。

情報は配信後48時間以内が効果の高い時間と言われています。なので、同じ情報でも手段や切り口を変えて3回ぐらい発信した方がいいです。全く同じでなければ、間隔をあけて3回ぐらい発信してもしつこいことはありません。

また、どんな情報配信もタイミングにより、見れられる見られない(開封されるされない)があります。メールなどのデジタル配信なら、開封率などのデータを元に改善することも可能ですが、紙媒体ではベストなタイミングを計ることは難しいです。

なので、ニュースレターできることは、配布する時期を限定し、「◯日~◯日までにお送りする」ことを意識させることです。その辺も踏まえると、「1ヶ月に1回」という毎月に落ち着きやすいのです。

 

挨拶状と案内状を活用しよう

既存客へ届ける場合の挨拶状の書き方

既存客に初めてニュースレターを届ける時は、いきなりニュースレターのみを送るよりも、挨拶状を同封すると、印象に残りやすいです。

挨拶状と言っても簡単なもので十分です。

  • お客様の名前
  • 自己紹介
  • 気遣いやお礼
  • ニュースレターを送る理由
  • お客様へお願い
  • 署名

●様

いつもお世話になっております。
・・・の佐藤一郎です。

▲▲▲▲をして、1年が経ちましたが、
何かお気づきのことなどございましたら、お気軽にお申し付けください。

この度、お客様とのご縁を大事にしたいと思い、
○○○○(ニュースレター名)をお届けすることになりました。

よりお役立ちいただける内容にしていきたいですので、
ご意見やご感想をいただけるとうれしいです。
これからもどうぞよろしくお願いいたします。

署名

挨拶状の内容は簡単でもいいのですが、書き方は手描きの方が受け止められやすいです。

 

広告やお知らせには案内状を同封する

毎号ニュースレターを送るのは、この広告やお知らせを見てもらうためと言っても過言ではありません。

ただ、ニュースレター記事内に、イベントの案内などを書いてしまうと、目立たせたい案内が埋もれてしまい目立たなくなってしまいます。

なので、広告(チラシ)などは別途きちんと作り、これも挨拶状の時と同じように、案内状を用意すると効果的になります。

案内状には、広告やお知らせをする「理由」や、イベントを開催する「理由」が書かれていると、読んでくれやすくなります。その「理由」も、読み手であるお客さんがメリットを感じるような内容なら、さらに印象に残りやすいです。

案内状は手書きにする必要はありませんが、個別にひいきしたい方がいる場合は、追伸として一言二言、手書き文を添えると効果的になります。

継続化、習慣化するためにルールを決めましょう!

継続していくにはある程度のルールを決め、習慣化する必要があります。

例えば、

・ニュースレターの配布日を決める
⇒ 例:毎月10日に配布し始める。郵送?配る?

・挨拶文や記事内容、お客様事例を書く期日をそれぞれ決める
⇒ 例:A部分は◯日まで、B部分は◯日までに書く

・お客様の声を取材するタイミングを決める。
⇒ 例:引き渡して1週間後

・撮影や取材の条件を決める。
⇒ 例:スタッフや施主の意見を参考にする。トラブった方は除く。

など、ある程度のルールを決めておけば、習慣化しやすいので、作業につまずくことも少なくなります。

(初心者のための「ニュースレター活用術」6回シリーズ、おわり)

著者プロフィール

井内 智哉
井内 智哉株式会社デザインアトラクト
2013年6月より、住宅業界専門のマーケティングコーチとして独立。現在は、工務店フランチャイズ本部や同業他社とも連携し、地域工務店のサポートや研修などを行う。2014年10月~2015年3月まで日本住宅新聞にて、歴代最年少執筆者として連載。