競合へのリサーチ

前回は「リサーチ」のポイントとして『見込み客のリサーチ』についてお届けいたしました。続いて、今回は、『競合のリサーチ』についてお届けいたします。

競合を知ることで、自社の立ち位置も明確になりますので、ぜひ競合リサーチへの意識をしてみてください。エクステリア業界のみならず住宅業界の方に是非、挑戦していただきたいと思います。

1.競合 ✕ オンラインリサーチ

まず、ネットを使ったリサーチを中心にお届けします。

1)対象を3~4社ほどに絞る。

やっていることが似てる、相見積もりになりやすいなど競合対象を絞ってみてください。いないに越したことはないですが沢山いすぎてもリサーチが大変になるのでまず、わかりやすい競合からピックアップしてみてください。

2)競合リサーチ12の分析ポイントとは?

競合をリサーチする時の12の分析ポイントを紹介していきます。

~③.差別化の3要素

差別化の3要素と言われる

  • ターゲット(誰に)
  • ベネフィット(何を)
  • メソッド(どうやって)

について、競合がどのように定めているかリサーチしましょう。

これは次回お届けする「ポジショニング」や「差別化」をしていく上でも大事な要素です。

.願望や悩み

その競合がターゲット客に対して、どんな願望を満たしているのか?または、

どんな悩みを解決しているのかリサーチしましょう。

.商品の仕様・性能

その競合はどんな商品仕様なのか、レベル度合いをリサーチしましょう。最新のハイスペックな商品で訴求しているのか?一般的な商品で訴求しているのか?など。

.価格帯

その競合がどんな価格帯で訴求しているのかリサーチしましょう。価格は前項の仕様や性能にも比例してきますが、同じ商品でも割安割高などもありますのでリサーチしておきましょう。

.強みは?そして弱みは?

その競合のウリとなる強みや得意としている分野をリサーチしましょう。また反対に弱みや苦手としている分野をリサーチしましょう。例えば自社では勝てそうにない良いところや、反対に勝てるところ。また、一番の売りは何なのか?不満が出るであろう点なども、リサーチしておきましょう。

.マーケティングの仕方

競合の集客方法や広告の出し方だけでなく、イベントの企画内容や取り組み方もリサーチしましょう。またホームページへのチカラの入れ具合や使っている言葉(メッセージ)なども大事なポイントです。

⑨. イメージやキャラクター

競合が持つイメージや人のキャラクターをリサーチしましょう。アットホームな感じがするのか、それともクールでカッコイイ感じなのか?プロフェッショナルで技術力が高そうなのか、フレンドリーな感じで気さくさが感じられるか?など。

⑩. お客様の声、推薦者の声

競合がどんな人から支持されているのか?顧客の傾向だけでなく、その競合を応援している人や会社がいるのかどうか、そのボリュームも気になるところです。

⑪. スタイル(リフォームの流れ・進め方)

競合のリフォームのスタイルをリサーチしましょう。提案の仕方やローンへの関わり方、契約のタイミング、どこでお金が発生するかやアフターメンテナンス・保証などへの取り組み方をリサーチしておきましょう。

⑫. 実績や経歴

競合の施工事例や社歴などをリサーチしましょう。施工事例ですと、数や紹介記事スタイルだけでなく、どんな箇所のリフォームが多いかなどの傾向をみることで重点部位を探ることもできます。また社歴は会社の年数だけでなく地元に対する影響力などもリサーチしておきましょう。

2.競合 ✕ オフラインリサーチ

続いて、ネットではなくリアルな場でのリサーチ方法をお届けします。

1)競合の集客イベントなどに行ってみる

身バレ(身分が知れる)のリスクを考えると、なかなかハードルが高いことですが、競合が実際にどんなイベントをしているのか、実際に行ってみてリサーチするのも方法としてあります。

2)取引業者、職人からの評判

競合に対する取引業者や職人からの詳細な評判は、コンプライアンスもありますから、ネット上では出回りません。競合ではないプロの目線から見た厳しい評価や評判は、非常に役立ちます。ただし、これは、取引業者や職人と、ある程度の信頼関係がないとなかなか聞けないことでもあります。

3.その他リサーチ

その他のリサーチとして、見込み客や競合以外でリサーチしておくべき項目を挙げますと、「業界の現状」「関連商品のライフサイクル」「関連ニュース」などは押さえておきましょう。

「業界の現状」は仕事をする上で必須なことですし、「関連商品のライフサイクル」は流行り廃りを知ることで提案力を高めることにも繋がります。「関連ニュース」はリフォームだけの情報ではなくターゲット客がどんな時にリフォームを意識するのか?リフォームを意識しそうな関連情報などにも、普段からアンテナを張っておきましょう。

(つづく)

著者プロフィール

井内 智哉
井内 智哉株式会社デザインアトラクト
2013年6月より、住宅業界専門のマーケティングコーチとして独立。現在は、工務店フランチャイズ本部や同業他社とも連携し、地域工務店のサポートや研修などを行う。2014年10月~2015年3月まで日本住宅新聞にて、歴代最年少執筆者として連載。

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