5.選ばれるための違いの理由(根拠)とは?

違いとは相対的なもので生まれるため、競合と同じことでは、違いは見えてこない。前回、お客さんにとっての「他との違いを明らかにする。」では、違いがわかってこそ、お客さんは初めて「選ぶ」ということを意識する。だから、「見え方の違い」をいつも意識して、考えてみることの大事さをお届けしました。

今回は、その次の段階として、選ばれるための違いの理由(根拠)をしっかり伝える、をお届けいたします。

1.思い通り、自社を選んでもらえないケースがある

実際、いくら他とは違って見えても、選ぶまでにはいたらないケースもたくさんあります。

  • 他とは違うけど、値段が高い。だからやめておく。
  • 他とは違うけど、わかりづらい。だからやめておく。
  • 他とは違うけど、お店の信頼度が低い。だからやめておく。

お客さん側にもそれぞれ事情があるので、やめる理由もそれぞれあるでしょうが、そんな時こそ、言葉のチカラです。

2.しっかりと理由(根拠)を伝える。

「理由をきっちりと明確にする」 というのはとても簡単にできるテクニックのひとつ
です。ですが、、、

  • 当たり前のことをわざわざ言う必要ない。
  • 言わなくても伝わるでしょ。

という風に、多くの人が理由を伝えることを省略してしまいます。

例えば、案内をする時に、「半額で販売」などの大幅な割引とか、「先着10名様にのみ」などの限定性とか、色々な提案内容を加えることがあると思います。

ただ、それだけでは、効果が薄いんです。

というのも、価格が最優先でないお客さんからすれば、「えっ、半額で?それって、悪い商品なのでは?」みたいな感じで、逆に怪しまれてしまいます。 怪しいまれているうちは、依頼されることはありませんよね?

そこで必要になってくるのが、 『理由』なのです。

  • なぜ、安く販売するのか?
  • なぜ、人数が決まっているのか?

そういった理由をしっかりと説明してあげるだけで、信頼性の増す言葉へ変わっていきます。

街なかで、急に「募金お願いします。」と声を掛けられても、ためらいますが、何のための募金なのかの理由がしっかりしていて、それに共感できるなら、「しようかな。」と心も動きやすくなりませんか?

冒頭で取り上げた例の場合、値段が高いのであれば、その理由(根拠)を示しましょう。わかりにくい、のであれば、説明にその理由(根拠)を示しましょう。信頼度が低いのであれば、日々の発信内容にも信頼が上がるような理由(根拠)を添えるよう心掛け、払拭していきましょう。

誰もが省略しがちな 「理由(根拠)を伝える」ことに、時間とほんのひと手間をかけると、読んだ方からの反応は大きく変わっていきます。 ぜひ、理由(根拠)を伝えるために、 少しの時間と手間を使ってみてください。

3.お客さんから見て、「選ぶ理由(根拠)」があるかどうか?

ただし、当たり前のことですが、不良品や低サービスなど、お客さんにとって価値のないものは、いくら理由(根拠)を伝えても意味はありません。なので、価値をお客さん側が決める以上、「お客さんにとってどうか?」という視点は必要です。

つくる側、売る側にとってではなく、お客さんから見て、「選ぶ理由(根拠)」があるかどうか?ということです。

著者プロフィール

井内 智哉
井内 智哉株式会社デザインアトラクト
2013年6月より、住宅業界専門のマーケティングコーチとして独立。現在は、工務店フランチャイズ本部や同業他社とも連携し、地域工務店のサポートや研修などを行う。2014年10月~2015年3月まで日本住宅新聞にて、歴代最年少執筆者として連載。

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