3.デザインやライフスタイルを中心とした「門まわり」の配置とデザインを考える。

門は内外を繋ぎ、また隔てる、人の意識の切り変える”気分を演出する”場所です。

道路に接して計画されるほかのエクステリア要素(車庫、囲いの装置としての塀や垣根など、接道する庭など)との関連も考えつつ、街並みとの調和を図るよう周辺の住宅とのデザインの連続性や関連性が配慮していきましょう。

配置とデザインのポイントをまとめると以下の2点になります。

  1. 接道部のトータルバランス
  2. 計画する住宅を象徴する

気を付けないといけないのが、どんなデザインにしたいか事前にイメージしないと、通りが不統一なデザインや色彩の混乱に陥ったり、変化に乏しい寂しい印象や、どちらを見ても同じ景色の住宅街になってしまうことです。

家の周りを見渡して計画してみて下さい。

門まわりを美しく演出するアイテムのご紹介

一口に門まわりといっても、さまざまなアイテムから構成されています。門まわりなら、門扉・門柱があり、門柱にはポスト・表札・インターホンなどの機能がついています。

アイテムをたった一つ変えるだけでもイメージが違ってきます。毎日使うものですから、使い勝手が良く、見た目も美しいのが一番です。ここでは、各アイテムのポイントをご紹介します。

①【門扉】

門扉は開けやすいことが第一。両開き門扉と片開き門扉がありますが、狭い間口なら人や自転車が出入りできる親子門扉で十分です。

形状は昔は板状のもので家の中が見えないのが一般的でしたが、最近はデザイン重視の傾向や風通しの良さなどから格子状のものが人気です。素材はアイアン(鉄)製、木製・アルミ製・FRP(繊維強化樹脂)製などがありますが、耐久性ではアルミ鋳物製が一番で、価格もリーズナブルです。

②【門柱】

門柱とはポスト・表札・インターホン・ライトなどをつけた支柱のことで、レンガや塗り壁、枕木などで敷地形状に合わせてつくられます。

門・門扉のないオープンスタイルやセミクローズドスタイルではポストを玄関より前に置くのがふつうで、ポストを立てる支柱や門柱が必要になります。ポスト、表札・インターホン・ライトの機能を集約した機能門柱は、スペースも多くとらないので大変便利です。

③【ポスト】

毎日郵便物を受け取るポストは使いやすさが一番。高さは1.5mぐらいがちょうど良く、開閉が楽なことが大切です。

昔は塀に埋め込む横型のポストが普通でしたが、最近は大きい郵便物が入る縦型ポストも人気です。

素材は金属製・木製・プラスチック製などさまざまですが、耐久性では金属製・プラスチック製など、耐久性では金属製・プラスチック製がすぐれています。また、耐久性とデザイン性にすぐれたFRP製のポストも人気が高まっています。

④【門袖】

門袖とは門扉の変わりに門前につくられる壁で、ちょっとした目隠しにもなり、ポストや表札やインターホンなども取り付けられています。敷地に合わせてオリジナルでつくることが多く、素材はレンガ・塗り壁・コンクリートブロックなどがあります。

デザイン性ならレンガや塗り壁で曲線を取り入れるとよいでしょう。敷地に余裕がある場合は、門袖を分割して、前後にずらして配置すると、見た目にも美しく、耐震構造上も強固になります。

⑤【ライト】

玄関を照らすため玄関等を建物につけるのが一般的ですが、アプローチを安全に歩けるためのセンサー式ライトがあると便利です。アプローチ灯は腰より低い位置にライトがあれば十分。最近は省電力の風潮もあってLED(発光ダイオード)ライトが人気です。電球を必要とせず半導体自身が発光し、省エネ・長寿命・低発熱・虫が寄りにくいなどの特徴があります。

⑥【表札】

表札は昔は塀に埋め込むのが一般的でしたが、最近は門柱や門袖に設置することが多くなっています。

デザイン性にすぐれたアイアン製・ロートアイアン(鍛鉄)性、おしゃれなテラコッタ(素焼き)性などもあり、書体も手書き文字や切り文字などバリエーションは豊富です。キット式の表札を使って家族で表札をつくるのも楽しいものです。ライト付きの表札も便利です。

⑦【塀】

塀は、隣家との境界を画することや防犯のための障壁、道路から室内が見えないための目隠し効果をねらったものです。

隣家との境界が目的であれば、あまり高い塀は避けた方がよいでしょう。防犯や目隠しが目的であれば、ある程度の高さ(1.5m~1.8m)が必要です。塀の素材はレンガ・タイル・塗り壁・コンクリート・ブロックなどがありますが、曲線や段差で変化をつけたり、スリット(すき間)を入れて飾るなどの工夫をするとよいでしょう。

⑧【フェンス】

目隠しのためのフェンスは、フェンスだけで仕切り壁を構成することもできます。素材は金属製・木製などがありますが、アイアンやアルミ製で格子状や装飾的な鋳物フェンスもあります。

木製のウッドフェンスは自然の風合いが感じられ、ラティス(斜め格子)が流行りましたが、最近では縦格子や横格子のフェンスが多くなっています。曲線や段差を取り入れると、デザイン的にも面白くなります。

⑨【生垣】

生垣といえば、竹垣と組み合わせてヒイラギやバラを植えることが多かったのですが、最近は上部で育てやすいコニファー(針葉樹)が人気です。

目隠しの効果がある高さは1.5m~1.8mが目安です。美観を考えると、背の高い樹木と低い樹木を植えて奥行感を出すのもよいでしょう。また、フェンスにツル性植物を這わせると、みごとな生垣になります。

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