『社員以上に働くから、社員には厳しいことも言える。経営者が惚れられ、ついてきてくれる要諦は、日々の率先垂範の実践である』 (エクステリア経営活動発表会について思う)

いよいよエクステリアの新商品発表会のシーズンが到来した。そんな中、テーマはとても地味ではあるが、5月10日に東京・浅草橋にて、エクステリア販売工事店、造園店など8社による「エクステリア経営活動発表会」という企画が開催される。発表する各社、当然のことながら、地域、企業文化、業容や得意分野も異なっている。

しかし唯一共通するものが、会社の永続的な成長を志向し、経営者が自ら率先垂範して社員満足度向上(ES)と顧客満足度向上(CS)に努める、という意思を表明している点である。

この発表会に先立つ約2年前、とあるエクステリア会社の象徴的なエピソードがある。エクステリアの工事現場で、同社の工務部長が「整理整頓ができない」「職人が資材の上に荷物や土足を置く」「ヘルメットをかぶらない」などの問題に悩んでいた。工務部長は、職人に何回も注意しても、しばらくすると元通りになってしまう。そこで同社の経営者は、悩んだ末にコンサルタント(月刊エクステリア・ワーク連載の山田寛氏)に相談。ちょうど当社と山田氏が主催していた経営塾に同社も参画することとなり、ESとCSの基本から学ぶことになった。

経営塾では、工務部長に対して、「自らの姿勢はどうなのか」を考えることを薦めた。「自らが職人よりも30分早く現場に来ること」、「そして職人には何も言わず、自ら現場の清掃、整理・整頓、近隣への挨拶などをやること」。そうした率先垂範の姿勢を、自らが示すこと。しかも、そのことを「俺はやっているぞ」と部下にアピールしてはいけないということも決められた―これこそ、ESの基本であるということを指示したのだった。

当初、工務部長は難色を示した。「どうせ自分がやっても、下には伝わらない」「そもそも自分は職人のしりぬぐいをしている。自分がさらに掃除などをすれば、もっと彼らをさぼらせることになる」等。

しかし、そういう意見に対して、「経営者や管理職は自らできないことを、下の人間に押し付けているだけではないのか」―これを常に自分の胸に手を当てて考えることが、トップの一番の仕事であると、「経営塾」では教えているのだ。理屈は簡単だが、実践するとなると、決して容易なことではない。そしてこうした率先垂範をすべて出来るわけではない。しかし、それを達成しようという意思を持ち、日々、チャレンジする姿勢を継続することが、重要なのであり、その意義自体を共有しているのが、発表する8社ということなのだ。

エクステリア業界には、たくさんの優れた会社が存在する。デザインのノウハウでも集客ノウハウでもない、今回の経営活動発表会は、テーマ的にはとても地味だ。しかし、自社の永続や後継者のことを真剣に考えているエクステリア会社の参加が、もう60社を超えた。「経営者の率先垂範」という基本が、ひたすら繰り返して強調される発表会となる。

※参加申し込み・イベント詳細はhttp://www.exwork.co.jp/

著者プロフィール

株式会社住宅環境社
株式会社住宅環境社佐倉慎二郎
佐倉慎二郎 ㈱住宅環境社 代表取締役社長
住宅建材業界、エクステリア分野の専門誌記者・編集者25年。2006年より「月刊エクステリア・ワーク」を発行する㈱住宅環境社入社。2014年に代表取締役社長に就任。現在は住宅と外構・エクステリアを融合する「住宅と庭との一体化設計」と、非住宅分野である商業施設(コントラクト市場)における庭空間の市場開拓を探る「サードプレイス『庭・快適空間』」を発刊。ホテル、レストラン、商業施設などに向けての情報提供や、まちづくり、異業種コラボレーションに向けての提案を行っている。

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