「見込み客を集める」には、まずは見込み客の状況を知ること
前回と前々回の内容では、ツーステップ(2ステップ)マーケティングという、ハードルの低い入口を設けておいて、その入口からゴールとなる商品に導くための手法を紹介しました。
そのポイントをシンプルに考えると、
- 見込み客を集める
- 見込み客と信頼関係を築く
ということになります。
当然ですが、まずは見込み客を集めてこないことには何も始まりません。多くの人が苦労するのが、この見込み客を集めることです。そして、見込み客が集まったら、集まった見込み客の度合を濃くしていく必要があるのです。
そこで今回と次回は、「見込み客を集める」ということを詳しく掘り下げてお届けします。
『見込み客を集める』 には、
まずは見込み客の状況を知ること
以前、売上の公式でもお伝えしたように、見込み客の数が増えることは売上にも比例してきます。まずは見込み客の状況を知ることが、見込み客を集めることへの布石となります。
「見込み客」と一言で言っても、今すぐリフォームが必要と思っている方ばかりではありません。見込み客を段階で分けると、4つに分けることができます。
見込み客の4段階の意識レベル
- 今すぐ客:全体の1%(ニーズもウォンツも高い)
- お悩み客:全体の9.5%(ニーズが高くてウォンツが低い)
- そのうち客:全体の9.5%(ニーズが低くてウォンツが高い)
- まだまだ客:全体の80%(ニーズもウォンツも低い)
割合は正確なデータではなく、建築に限らずいろいろなケースにおける平均的な参考値として捉えてください。
今すぐ客:全体の1%(ニーズもウォンツも高い)
今すぐ客とは、「今すぐにリフォームが必要」と思っている人です。全体の1%ほどと言われています。
リフォームしようと決意していて、その会社をどこにしようかと考えている段階です。必要性も感じていて、欲しいという欲求も高いです。「リフォームしたいけど、どの会社が良いかな?」と比較検討している段階なので、あなたの会社に依頼すべき理由が見つかればすぐに行動してくれます。
なので、「今すぐ客」に対しては、依頼や購入を促すための訴求が有効です。
ただし、「今すぐ客」は全体の1%しかいないため、多くの競合と奪い合いになります。もし、資本力のある会社がガンガン宣伝広告し、低価格で販売していたら、なかなか勝ち目はないかもしれません。ライバルとの勝負に勝つためには、提案の工夫が求められます。
お悩み客:全体の9.5%(ニーズが高くてウォンツが低い)
お悩み客とは、「リフォームの必要性を感じているけど、しようとは思っていない」人です。全体の9.5%ほどだと言われています。
「キッチンをそろそろリフォームしなければなぁ」と考えてはいるのですが、「どんな風にリフォームするのがいいかな?」などと、いろいろ迷っている段階です。リフォームの必要性は感じているんだけど、あなたが提案するリフォームが欲しいという欲求は低い状態です。
なので、「お悩み客」に対しては、欲求を高めるような訴求が有効です。
例えば、リフォーム提案のバリエーションや、他のリフォーム店に比べて自社の提案が優れている点、その効果や結果など、あなたの会社にリフォームを頼む理由を伝えることが求められます。
そのうち客:全体の9.5%(ニーズが低くてウォンツが高い)
そのうち客とは、「リフォームに魅力を感じているけど、今すぐ必要ではないと思っている」人です。全体の9.5%ほどだと言われています。
例えば、「キッチンのリフォームしようかと考えているけど、今はまだ必要ないだろう」と思っている段階です。キッチンのリフォームをしたいという欲求は高いものの、今すぐしなければいけないという差し迫った理由がないので、必要性を感じていない状態です。
なので、「そのうち客」に対しては、必要性を高めるような訴求が有効です。
例えば、古いキッチンを使っていることで起こる不利なことなどを伝えて、キッチンリフォームが今すぐ必要であるという啓蒙が求められます。
まだまだ客:全体の80%(ニーズもウォンツも低い)
まだまだ客とは、「リフォームに関心はあるものの、したいとは感じていないし、今すぐ必要でもない」人です。全体の80%ほどだと言われています。
リフォームに興味はあるものの、現時点ではリフォームをする差し迫った理由もなく、リフォームした方が、より豊かな暮らしになるいう魅力も感じていない段階です。必要性も欲求もない状態ですから、自分がどうすべきかもわかっていないため、現段階でリフォームを依頼することはありません。
「まだまだ客」に対しては、そのうち客やお悩み客へと、段階を進んでもらうための訴求が求められます。
例えば、リフォームに関する広い知識や、最初に知っておいた方が良い事などを伝えたり、リフォームの種類やバリエーションなどを紹介していきましょう。ただし、啓蒙するには時間と労力がかかります。
<つづく>
著者プロフィール
- 2013年6月より、住宅業界専門のマーケティングコーチとして独立。現在は、工務店フランチャイズ本部や同業他社とも連携し、地域工務店のサポートや研修などを行う。2014年10月~2015年3月まで日本住宅新聞にて、歴代最年少執筆者として連載。
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