1.伝える相手を決める

はじめに

商品が本来持っている価値を高めるためには、伝え方のレベルを上げていくことが求められます。一般的に、言葉での伝え方を「コピーライティング」と呼びます。

これからお届けいたします内容は、コピーライティングのノウハウの中でも、文章をガラッと変えるほど大掛かりなことではなく、一行ほどの短さで伝えられるフレーズや、ワンポイント的な技についてご紹介いたします。

商品紹介、DM、チラシから、WEBサイト、ブログ、メルマガなど、あなたが普段、発信している言葉に、こんなことを、ちょっと加えるだけでレベルアップできる

初心者の方でもわかる実践的なことをお伝えしたいと思います。

具体的なテクニックのお話しの前に、まずは、基本となる意識を5回に分けてお届けいたします。基礎中の基礎になる内容ですので、常に意識することを取り組んでいただくと、きっと、あなたの伝え方は一気にレベルアップしたします。

基本となる5回のテーマの予定です。

  • 1回目.伝える相手を決める。
  • 2回目.言いたいことを書いてはいけない。
  • 3回目.どう書くか?より、何を書くか?
  • 4回目.他との違いを明らかにする。
  • 5回目.選ばれるための違いの根拠とは?

まずは、1回目の「伝える相手を決める。」をお届けします。

【第1回目】伝える相手を決める

あなたは「誰」に向けて、伝えようとしていますか?

もし、明確に伝える相手が決まっていなければ、あなたが伝えようとする内容は、相手に届く確率が低くなります。

では、誰に向けて書けばいいのでしょうか?

一般的には「ターゲット」と呼ばれますが、ここでまずイメージしやすいのは、「属性」です。属性とは、性別・年齢・収入・家族構成、居住地域などが挙げられます。ただ、やってみていただくとわかるのですが、なかなか具体的なイメージが浮かばないと思います。

例えば、40代で4人家族、世帯収入年収700万円。

このような属性は、たくさんいそうで、いなさそうですよね。そして、具体性がないのでイメージがわきにくいです。ターゲットのイメージがわかないと、伝える言葉も決まってきません。

属性で考えることは、最初の取っ掛かりとしてはいいのですが、突き詰めようとすると、具体性に欠けてしまいます。ターゲットと一言で言っても、ひとりひとり、一家族ごとに違いますからね。

ここまでの話は本によくあるお話しです。

 

今号では、もう一歩踏み込んでみます。

まず、意識したいのは、「悩み」とか「問題」とか、こんな風にしたいなどの「願い」そのものが何なのか?ということです。

最も簡単な方法は、すでに引き渡しをしたOB客を洗い出してみてください。

依頼する前、どんなことに悩んでいましたか?どんな問題を抱えていましたか?どんな願望を持っていましたか?

そんな風に導き出すと、「40代で4人家族、世帯収入年収700万円」というアバウトさではなく、「庭があるけど、雑草も生えてくるから、何とかしたい。せっかくだから見た目も、大きめのおしゃれな石を敷いて、かっこ良くしたい。ついでに、それに似合う植栽を植えたい。と思っている旦那さん。」など、より具体的なターゲット像が浮かびますよね。

より具体的なターゲット像がイメージできると、その人に向けてのメッセージも、より具体的になり響きやすくなります。

そんな風に絞り込んで定めてしまうと、一見、それ以外の人は見向きもしなくなるのでは?と不安になるかもしれません。ですが、メッセージに具体性がでてくると、不思議とそれ以外の方も反応がしやすくなるのです。例えば、「石ではなくレンガは敷けませんか?」など。

まずは一人でいいです。ターゲットを具体的にイメージしてみてください。

DM、チラシ、ブログなど、日頃、発信しているメッセージを、その一人だけに届けるぐらいの意識を持って、ぜひ、これから試してみてください。

(つづく)

著者プロフィール

井内 智哉
井内 智哉株式会社デザインアトラクト
2013年6月より、住宅業界専門のマーケティングコーチとして独立。現在は、工務店フランチャイズ本部や同業他社とも連携し、地域工務店のサポートや研修などを行う。2014年10月~2015年3月まで日本住宅新聞にて、歴代最年少執筆者として連載。

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