ポジション(立ち位置)をどのようにとるのか?

集客活動としては『マーケティング』売上を実際にアップする活動としては『商品コンセプト』を研ぎ澄ますことや『セールス』が深く関わってきます。

ですが、集客や売上アップの事についてさらに考えていく場合、最も重要となってくるのがポジショニングです。「ビジネスの正否の80%はポジショニングで決まる!」とも言われているくらい大事なことなのです。

つまり集客活動をいくら頑張ってもポジショニングがうまくできていないと、全体として結果に繋がりにくいのです。別の言い方をするならば、良いポジショニングができていると

マーケティングやセールスがうまくいきやすいのです。

ポジショニングができていないとビジネスの対象が明確になりません。自分のビジネス活動が誰のどのような問題を解決するのか、その方法は一体どのようなものか、具体的にどのような結果をもたらすのかが曖昧になってしまうからです。つまり自分が行っていることの価値がどこにあるのかがわからないし、伝わっていないということです。

ポジショニングができていないままビジネス活動を行なった場合、ビジネスそのものが輪郭のぼやけたものになってしまって、いつまでたってもお客さんが見つからない、見込み客を集める方法が定まらない、セールスそのものができないなどと、あれこれ必要なことをやってはいるのに成果が出ないという状況に陥ってしまいます。

これはどの業界でも当てはまることなので私も経験したことがありますが、非常に苦しいものです。このような理由からまずはポジショニングをしっかり行った上でこそ、その他の活動がうまく機能していくことを意識してみてください。

そこで今回と次回では、そのポジショニングを探す方法についてお届けいたします。

 

『ポジショニングを探す方法』
1回目 「ポジショニングとは?」

ポジショニングとは、その言葉の通り「ポジション(立ち位置)をどのようにとるのか?」と言う意味です。

例えば

  • 「どんな肩書きなのか?」
  • 「誰に対して、どんな領域でビジネスを行なっているのか?」
  • 「どんな方向性なのか?」

などを決めることを、ポジショニングと言います。

別の言葉で表すなら、『差別化』であり、No.1になれる分野の旗を掲げる』ということでもあります。リフォームもエクステリアも、施工できる会社は沢山いますから、その中から選ばれる必要があります。

しかし、顧客は常にNo.1を選び、最終的には「1社」しか選びません。正確には、頭の中にあるNo.1を選んでいます。その基準は、信頼度No.1かもしれませんし、安さNo.1、デザインNo.1、無難No.1・・・と人それぞれ基準が異なります。だから、顧客の基準と合う、No.1にならなければいけないのです。

 

ポジショニングを成り立たせる3つの基本要素

ポジショニングを成り立たせるには、3つの要素が必要です。

その1.「ターゲット」を決める

「誰?」を明確にすることです。つまり「どんな人をお客さんにしたいのか?」ということです。

エクステリアやリフォームでもいろいろなお客さんがいます。中高齢者層をターゲットにするのか?それとも中古住宅を購入した30代~40代をターゲットにするのか?ざっくりでもいいので「どんな人をお客さんにしたいのか?」または「すでにしているのか?」を考えてみましょう。

その2.「ベネフィット」を決める

「何を?」を明確にすることです。つまり要素1のターゲットに対して、どんな価値やメリットを提供するのか?そしてそれでどうなるのか?ということです。

まずはシンプルにターゲットに対して、喜んでもらえる価値やメリットとは何なのか?を考えてみてください。コスト的なことなのか?機能や性能的なことなのか?デザイン的なセンスなのか?アフターやメンテンナンスなどのフォローなのか?

ただ、メリットは誰もがまんべんなく得する訴求なので、他社も簡単に同じことができてしまいます。自社として明確に決めたターゲットに対して”最も”なところを探していきましょう。同じメリットでもターゲットによって”最も”な部分は変わってきます。

例えば大雑把に「愛犬家」というターゲットにしたなら、数あるメリットの中から愛犬や愛犬家にとって最適なエクステリアやリフォームとは何なのか?を考えることになります。

その3.「メソッド(自社が持っているノウハウ)を絞り込む」

「どうやって?」を明確にすることです。つまり要素2のベネフィットを、お客さんにどんなやり方で実現するのか?伝えていくのか?ということです。

実は、要素1と2は、何とでも定義づけられるので、いい加減にウソをつくことができてしまいます。ですが、要素3のメソッドやノウハウは、実現する方法なので、あなた自身がこれまでに培ってきた経験が物を言います。ですから、小さな会社であってもこの部分が武器にもなり、最も他との差が生まれやすい要素でもあるのです。

例えば犬のことが好きでもないのに「愛犬家のために」なんて謳ったエクステリアやリフォームは所詮付け焼き刃でボロがでます。DIYだって流行りだからといって、好きでもないのに取り入れてもボロがでるだけですよね。ですがご自分も愛好者なら、DIY大好きなら、その知識や経験が付加されるので、他社とは違う価値になるのです。

以上の3つの要素を明確にすることが、最初におこなう最もシンプルなポジショニングです。

(つづく)

 

著者プロフィール

井内 智哉
井内 智哉株式会社デザインアトラクト
2013年6月より、住宅業界専門のマーケティングコーチとして独立。現在は、工務店フランチャイズ本部や同業他社とも連携し、地域工務店のサポートや研修などを行う。2014年10月~2015年3月まで日本住宅新聞にて、歴代最年少執筆者として連載。

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