12.権威と社会的証明で後押ししよう!
何かの行動をする時、それをしているのが自分一人だと、心細くなってしまったり、不安になってしまいますよね。自分の意見に対して、賛成が欲しくなるものです。
そんな時、自分の行動が間違っていないとわかれば、背中を押されたように、安心してその行動がとれるようになったりします。
「口コミで高評価だったから」「皆が持っているから」など、「お客さまの声」は、まさにその背中を押す素材です。
「お客さまの声」は、素材としてわかりやすいため、単体で話のネタにされることが多いですが、大きい意味では「権威や社会的証明」に属します。
今回は、 情報発信する上でも欠かせない、権威や社会的証明について取り上げていきます。
1.人は権威に弱い!
権威とは、
- すぐれた者として、他人を威圧して自分に従わせる威力。また、万人が認めて従わなければならないような価値の力。
- 専門の知識・技術について、その方面で最高の人だと一般に認められている人。
という意味があります。
例えば、身近な例ですと、、、
- 制服姿の警察官の見かけると、何も悪いことはしてないけど意識してしまったり、
- 病院内で白衣の先生を見かけると、かしこまってしまったり、
などなど、権威に弱い人は多いです。
実は、そういった「権威に弱い」部分を上手く活かした伝え方もあります。
例えば、
- プロが認めた。
- 専門家から推薦をいただいた。
という伝え方は、権威を活かした典型的な例です。
とある商品に対して、エクステリア業界で権威のある方が「これは良い!」と認めていると、その商品は他の商品より、目立ちやすくなり、信頼性も高まります。
お金の専門家であるファイナンシャル・プランナーから、「◯◯社さんは、資金計画をキチッとしてくれるので・・・」というお墨付きをいただけたなら、お金の面での信頼性は高まります。
もちろん、権威ある人の力を、直接借りることができるに越したことはありませんが、
もし、権威ある人との繋がりがない場合は、間接的に使うことをオススメします。関連性を紐付けるのです。
例えば、新聞や雑誌、WEBサイトなどの記事を引用するという方法です。自社で扱っている商品のジャンルや、自社のコンセプトに近い考え方などについて書かれた情報を、引用させてもらうのです。
「◯◯の2月1日の記事にこんな内容を見つけました。」という風に紹介し、「自分たちも同じです。」という関連性を伝えていきましょう。そうすることで、その情報が、自分たちや商品を評価してくれているような印象を残すことができます。
ただし、これには常日頃からの情報収集が欠かせませんので、関連性のある情報に対して、アンテナを張っておく必要があります。
2.社会的証明があると信頼しやすい!
社会的証明は、たとえば、「人気」のことです。人気があると、必ず意識してしまいます。
例えば、飲食店で待ちの行列を見かけると、まだ食べてもいないのに、「美味しいんだろうな」と思っていまいますよね?また、シンプルに値段だけ書かれているより、累計1000個以上販売!などと書き添えられていたら、気になってしまうものです。
仕事の内容上、エクステリアで待ちの行列を見せることはできませんが、
- 過去の販売数量や、
- どんなお客さんが買ってくれているか?
- 著名なお客さんがいるか?
- あるカテゴリーでNo.1になった。
など、社会的な実績を具体的に示すことはできますよね。
商品を紹介するのに、「これまで◯◯組の方に愛用していただけました。」という伝え方は、よく使われます。
社会的証明の伝え方にはいろいろな切り口があります。「お客さまの声」も社会的証明の一つと言ってもいいでしょう。
ただ、社会的証明っぽいのに、あまり効果が見込めないパターンもあります。それは、「おかげさまで◯周年!」みたいなことです。これはただ時間の経過を伝えているだけなので、その部分だけを伝えても、効果はイマイチなのです。伝えるなら、掘り下げて、◯周年の実績を伝えたほうが良くなります。
大事な部分は、客観的なデータを収集しておくことです。社会的証明の大きな効果を得るには、この客観的なデータの裏付けが必要です。「累積100組目のお客さまです。」ということを伝えようとしたら、少なくともカウントしてないと成立しません。
そのためには、事前に数字の準備をしておくことです。つまり、「こんな手法をとりたいので、事前に準備しておく」という戦略が欠かせないのです。
嘘をついてもできなくはないですが、嘘を隠すためにまた嘘をつくようになってしまうので、オススメはしません。その場しのぎでは、この伝え方で信頼を得ることは難しいのです。
3.数字が具体的になると信憑性が増す!
前項の「社会的証明」に言える、大事なポイントになるのが「数字」です。数字が具体的だと、その信憑性は増します。
例えば、「過去に多くの人が・・・」と伝えるよりも、「これまでに100人の方が・・・」と伝えた方が、信憑性は増します。
簡単なテクニックとして挙げると、
1.四捨五入せず伝える。
一見、四捨五入して、1の位を0にした方が良さそうに感じますが、四捨五入して約すのではなく、48人、51人など、具体的に伝えます。
2.分数より、実数で伝える。
3分の2ではなくて、66.7%で伝える。
%で伝えた後、「3人中2人は選びます。」という補足があってもいいです。
3.小数点も伝える。
前項2にも関連した内容ですが、%で伝える場合、小数点第一位までは伝えましょう。18%よりも、18.2%の方が信憑性が増します。
などがあります。
データの裏付けがある本当にキリのいい数字の場合は別ですが、あいまいなキリのより数字は、嘘っぽい印象が強くなります。面倒臭がらず、できるだけ細かい数字を伝えてみましょう。
余談
今回のテーマで、ふと思い出したのが、私自身が昔話していた「塗り壁」のトークでした。
今でこそ、注文住宅での室内の塗り壁は目にするようになりましたが、10年位前はまだあまり認知されていなかったので、お客さんの頭の中は、「壁はクロス」というのが当たり前でした。
その時使っていたセールストークが、
- 「姫路城にも使われている漆喰です。」
- 「99%の方、100組中99組は、塗り壁にされています。」
などです。
当時は意識してませんでしたが、見返すと、「権威・社会的証明・数字」などが盛り込まれてますね。
(つづく)
著者プロフィール
- 2013年6月より、住宅業界専門のマーケティングコーチとして独立。現在は、工務店フランチャイズ本部や同業他社とも連携し、地域工務店のサポートや研修などを行う。2014年10月~2015年3月まで日本住宅新聞にて、歴代最年少執筆者として連載。
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