3、商圏を決める

営業の法則を知る

自社からどの範囲まで商売をしていけば良いのか迷う方も多いのではないのでしょうか。広く商圏を設定した方が数多くのお客さまと出会えるかもしれないと考えますが、実際は、遠方のお客さまのところに頻繁に会いには行けません。移動時間がかかるのが大きな難点だからです。当然、会う回数が少なくなると成約率が下がります。どのエリアまで受注活動をしていくのかという、商売する範囲を明確に決めておくことが大切になるのです。そうしないと、商圏はどんどん広がるのにしたがって営業成果や営業効率はどんどん薄れていくばかりです。では、どのように商圏を決めれば良いのでしょうか。遠方のお客さまは、せいぜい、日に1回会えればいいところ、ですから自社のすぐ近所、周辺から徐々に範囲を広げていきましょう。短期間に、何度も面談を繰り返すことで、成果に直結させます。会社の近所の方なら、日に何度も会いに行けます。来店もしてもらえます。お客さまから見ても近所の会社の方が安心なはずです。

 

商圏の範囲を決める

通常、第一次商圏は、自社周辺の半径500m以内、第二次商圏は半径1キロ以内、第三次商圏は半径2キロ以内と言われています。近くのお客さまは少なく、遠方のお客さまが多く半径500m以内のシェア率は全世帯の1%にも満たない会社が多いのではないでしょうか。まず、3つの商圏のうち、第一次商圏を徹底的に掘り下げていきます。

ある程度浸透するまでには最低でも3年は必要です。自社から半径500m以内に何世帯あるかつかめていますでしょうか。また、都会では数千世帯、郊外では数十から数百世帯かと思いますが、数に関係なく、その世帯の中で自社がお世話したお客さまは、はたして、どのくらいるのでしょうか。これを考えることから商圏を決めてください。

もっと絞り込んで、自社の隣近所から周辺の半径100m以内に重点に置き販促活動を強化する方法もあります。まさしく、近所付き合いです。売りの姿勢が強い会社だと思われると、お客さまとの距離感はいつまでたっても縮まりません。気楽に付き合える会社というイメージを根付かせることが重要です。

 

近所付き合いを大切に

地域密着経営の第一歩は、自社近くの商圏を設定することからスタートし、

すぐ近所からお客さまを一歩一歩開拓していきます。売りに行くというより、気楽に相談に来てもらうような関係づくりを進めていきます。地域のお客さまにとって、住まいや暮らしに関して、身近で、安心して相談できる専門家は、実際なかなか、いないものです。地の利を生かした近所にある会社として是非、来店いただく「きっかけ」を創りましょう。例えば、会社前や会社周辺道路の清掃を毎日実施していくうちに、ご近所の方との挨拶や交流が活性化し、コミュニケーションも自然と深まっていきます。「どうですか、うちの会社でお茶でも」という挨拶ができるようになり、初来店につながりやすくなります。来店を繰り返していくうちに馴染みのお客さまになっていただけます。3度ご来店いただけると、かなり深いお話もできるようになります。住まいの関係の会社だということが分かっていますので自然に相談へとつながっていきます。「売らずして売る」、これが営業の基本です。

 

SD研 (株)スペース・デザイン研究所

著者プロフィール

丹羽 啓勝
丹羽 啓勝株式会社スペース・デザイン研究所
昭和28年生まれ東京都葛飾区出身。昭和51年早大理工学部建築学科卒。準大手建設会社にて、建築工事管理担当。その後、住宅関連FC本部にてサービスシステム企画、開発、SV、教育研修等歴任。平成3年、現在の会社を設立。しばらくの間、大手から中堅ハウスメーカー、不動産会社、建築・リフォームのグループ、FC顧問を務める。現在は、地元密着、顧客密着している本物志向の中小工務店、リフォーム企業、建材店等を主な対象に、マネジメント力、マーケティング力、テクニカル力の3つのバランスの取れた経営環境づくりを支援。

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