2.言いたいことを書いてはいけない

前回は「伝える相手を決める」というテーマで伝える相手のイメージを具体的にするために“たとえばOB客でもいいので、ターゲット一人だけを意識しよう”という内容を

お届けしました。

ターゲットは「悩み」や「問題」、こんな風にしたいなどの「願望」を持っている人です。それが具体的になればなるほど、「何を書くべきか?」というのも、自然と決まります。

まず届ける言葉は、悩みや問題の解決方法や、願望の叶え方を書くことです。

その言葉こそが、お客さんがまず知りたいことでもあります。

でも実際は、販売する側の視点になってしまい、どうしても「商品名」「特徴」「技術」「性能」「素材」「価格」など、自分が言いたいことを書いてしまいがちです。

例えば、キャンペーン期間の場合、「エクステリアSALE!最大70%OFF!」などです。しかし、これでは、悩みや問題の解決方法や、願望の叶え方が伝わりません。

これに引っかかるお客さまは、すでに解決方法や叶え方を知っていて、少しでも安く

比較検討したい方か、何でもいいから安く収まればいいという方でしょう。

価格優先でないお客さまに伝えたいのであれば、夏前の時期なら「暑い夏の毎日を、気持ちよく過ごす快適エクステリア!」のようなメッセージがいいのではないでしょうか?。

  • 暑すぎて不快=問題
  • 気持ちよく快適に過ごしたい=願望

という図式なら、方法論として、以下のように、もっと考えられます。

  • テラスに水を撒く。(だから、◯◯◯◯という商品を使う。)
  • 紫外線をさえぎる。(だから、◯◯◯◯という商品を使う。)
  • 日光の照り返しを防ぐ。(だから、◯◯◯◯という商品を使う。)
  • サンルームで暑さ対策。(だから、◯◯◯◯という商品を使う。)
  • グリーンカーテンを作る。(だから、◯◯◯◯という商品を使う。)

などの提案できる施策が色々と出てきますよ。

繰り返します。

「商品名」「特徴」「技術」「性能」「素材」「価格」なども大事なことではあるのですが、それ以上に「お客さんの悩みや問題の解決、願望を叶えられのか?」という視点を意識しておいてほしいのです。

ただ、このような伝え方でも、どこも似たような言葉で伝えていますので、ここまでやっても最低限なレベルだと思っておいてください。

さらにレベルを高め、ターゲットに刺さるメッセージにしていくには、ターゲット一人のためだけに伝えるぐらいの具体性を出していくことが必要になります。

そこまで突き詰めるにはハードルが高いのでまずは自分が言いたいことよりも、

何を言えば、どんなことを伝えれば、ターゲットの悩みや問題の解決ができるのか?

また、願望が叶えられるのか?いつもそのことを意識してみてください。

 

例外:言いたいことを書いていい場合もある。

本号では基本編として、「言いたいことを書いてはいけない。」という内容をお届けしましたが、例外として、言いたいことを書いていい場合もあります。

それは、あなた自身が、他人の意見に振り回されずに自分を信頼していて、惹き寄せられるだけの魅力がある場合です。認知されやすいキャラ(人間味)があり、信頼を築くことができる人です。こういう方は、言いたいことを言い、書きたいことを書いた方がいいです。

情報が溢れかえる時代ですから、人はますます迷う時代になっていきます。そんな時、人はどういう人の意見を聞きたいと思うでしょうか?

きっと、「自分の意見や考えをハッキリと言ってくれる人」ではないでしょうか。商品情報ばかりを並べ立て、当たり障りのないことを言う人ではなく、あなたのように?

自分の考えや哲学を持って、自分の言葉で一貫したメッセージを伝えている人が、これからの時代に信頼される人になっていくことでしょう。

(つづく)

著者プロフィール

井内 智哉
井内 智哉株式会社デザインアトラクト
2013年6月より、住宅業界専門のマーケティングコーチとして独立。現在は、工務店フランチャイズ本部や同業他社とも連携し、地域工務店のサポートや研修などを行う。2014年10月~2015年3月まで日本住宅新聞にて、歴代最年少執筆者として連載。

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