4.他との違いを明らかにする

前回、「何を書くか」と「どう書くか」を分けて、その上で、「何を書くか」を優先し、次に「どう書くか?」ということをお届けしました。

制作機会の多いチラシに限らず、ブログなどの発信にしても、最終の目的は、選んでもらうことだと思います。

お客さんとしては安くはない買い物ですから、失敗をしたくないので比較検討をする方が大半です。比較検討しやすいネットの場合だと、このような流れになるでしょう。

  • インターネットで検索する。
  • 検索結果に出たWEBサイトをいくつか閲覧する。
  • その中で、良さそうなところをピックアップする。
  • そこに問い合わせしてみる。

そこで、考えてください。

チラシを見てもWEBサイトを見ても、似たような商品がたくさん並べられていて、何を選んでいいのか?どう選んでいいのか?わからない時代になっていますよね。

情報が溢れて、ノウハウが簡単に手に入りやすくなったこともあるでしょうし、元々、類似品や同等品が存在してしまう建材だからこそ、比較しにくい状況になってしまうこともあるでしょう。

それ以外にも、伝える側は、自分たちの言いたいことを商品を中心に語りがちになり、商品を中心に語れば語るほど、似たり寄ったりな伝え方になり、

その結果、お客さん側は違いがわからず選べなくなります。

もちろん、細かい話まですれば、違いは出てくるでしょう。ですが、いくら細かい機能や性能を伝えたところで、お客さんは専門家ではありませんし、そんな知識を身に着けようとも思っていません。違いを見抜くための知識も能力も持ち合わせていない方が

大半なのです。結果、残念ながら、わかりやすい価格比較に目がいってしまいます。

これはお客さまが悪いのではなく、伝える側が悪いのです。

・・・あなたは、そういう方向には持っていきたくないですよね?

 

他との違いを伝えよう!

そこで求められるのが、「違いを伝える」ということです。

お客さんから見たら、違いがわかりにくい商品について、「他との違いはココですよ!」と示してあげることが必要なのです。実は、違いがわかってこそ、お客さんは初めて「選ぶ」ということを意識します。価格比較が起きやすいのは、誰もがわかりやすく違いがわかるためだからなのです。

だからこそ、価格以外の「何を言えば、他と違って見えるのか?」という視点が重要になってきます。もちろん、価格を気にしないという方はいませんが、価格が一番重要な決定要素ではない方はたくさんいらっしゃいます。「安いもの」じゃなく「いいもの」を提案してほしいと思っているお客さまは多いのです。

例えば、「石はコレ」「木はコレ」「タイルはコレ」というように、一つ一つの特徴が何なのかを伝えて選ばせる提案なら、その選び方(素材のチョイスの仕方)は違いにもなってきます。

また、昼や夜のイメージなどをビジュアルで見せて、周り近所とのバランスや仕上がった後の暮らしているシーンを思い描かせることができると、その提案の仕方は、簡易な図面と見積もりに比べるとずっと違いがでてきます。

DIYしたい人向けなら、施主側で簡単にDIYできるようベース施工しておくことも、違いの一つになるでしょう。

などなど・・・

 

他との違いは相対的なもので生まれる

あくまでも、「他との違いは相対的なもので生まれる」ということです。

なので「いいもの」を提案することに関連して、商品中心になるのでなく、お客さま事例募集などの施策が絡んだ方がわかりやすく、違いになりやすいのです。

なので、上記の例をやれば大丈夫ということではありません。いくら自信があっても、競合と同じことでは、違いは見えてこないということです。その場合は、価格とか信用とかが決め手になるでしょう。そうなると、小さな会社には不利ですよね。競合がすでにやっていて、勝てないなら、違うことに目を向けてみることも必要です。

以上の観点から、「見え方の違い」をいつも意識して、考えてみてください。

(つづく)

著者プロフィール

井内 智哉
井内 智哉株式会社デザインアトラクト
2013年6月より、住宅業界専門のマーケティングコーチとして独立。現在は、工務店フランチャイズ本部や同業他社とも連携し、地域工務店のサポートや研修などを行う。2014年10月~2015年3月まで日本住宅新聞にて、歴代最年少執筆者として連載。

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