9.ストーリーを加えて、惹きつけよう!

1.人はストーリーに引き込まれる!

世の中にあるノウハウ自体は、そう多くはありません。「お客さんが良いエクステリアを実現するノウハウ」と言っても、画期的なものはむずかしいですし、知り渡っていると、そのノウハウで他社との差をつけるにはわかりにくいものでもあったりします。

ノウハウやメッセージだけの場合、一見、コンパクトで分かりやすいのですが、イメージしづらいという短所もあります。

ですが、そこに「ストーリー」が加わることで “あなたらしく”伝えることができ、独自性を出しやすくなります。ここで言う「ストーリー」とは、人物や出来事について、 原因結果の流れを意味づけし、語ったものです。

例えば、ストーリーがあると、

  • 全てを伝えずとも、 出来事をイメージさせてくれる。
  • 文字を超える情報&イメージが生成され、具体的な行動につながりやすい。
  • 記憶として深く定着するので、覚えていてくれやすい。
  • ストーリーを自らの体験を照らし合わせ、自分の考えや行動などが広がる。
  • ストーリーをキッカケに自ら考え、自分にとって価値あることを判断しやすく
    なる。

といったことが起きやすくなります。

なぜなら、人は「ストーリー(物語)」が好きです。書籍の売上を見ても、ビジネス書や実用書より、ストーリーがあるマンガや小説の方が売れています。また、何百年も過去の話もストーリーで伝えられています。

子供の頃から絵本の読み聞かせなどで、ストーリーに触れてきているため、無防備で
受け止めやすいのです。感情を動かす、 記憶に残す、 行動させる、 それらは全て、 「ストーリー」の力なのです。

エクステリアの例ではありませんが、私が過去に経験し、よく使っていた(家づくり
の)ストーリー例を挙げると・・・

今打ち合わせ中の方に、4歳の娘さんがいらっしゃるAさん家族がいます。

先日、家の二階の間取りの取り方で、夫婦間でちょっとだけ意見が食い違い、先週はずっと夫婦間で悶々とした日々が続いてたんだそうです。
その様子を、4歳の娘さんが感じ取っていたようで、また、ご夫婦で平行線の話をしていると、娘さんから、こんな言葉が、、、

「なんで、二人ともメソメソしてるの!家建てるのにケンカするんだったら、建てなきゃいいでしょ!○○ちゃんは、狭くてもみんなが一緒にいれるなら、今のままでいいよ!」

娘さんのその一言で、

『「子どものために・・・」と言ってますが、本当は親の自己満足だったのかも!?改めて、人生なかなかない家作りを家族みんなで楽しんで作っていかなきゃと!!私達夫婦、特に子供達にとって、人生の中の楽し~い幸せな想い出の一つにしなきゃと』

と、改めて、気付かされたんだそうです。

上記の伝えたい結論・ポイントは、「人生の中の楽しい幸せな想い出の一つだから、
家づくりは家族皆で楽しみましょう。」ということですが、そんなことはどの会社も
言っていることで、大差はありません。ですが、ストーリーがあることで、独自の伝え方になるのです。

2.買った後のストーリーを伝えよう!

簡単でかつ効果的なストーリーを加えるなら、「Before → After」の変化を見せることでしょう。その典型的な例が「お客様の声」になります。

まずは、そこまでかしこまった形でなくとも、その商品を手に入れたことで、お客さんの暮らしがどのように変化していったのか?「Before → After」の変化をイメージさせるよう、日々の情報発信に取り入れてみましょう。商品を手に入れた後の物語を想定してみるということですね。

3.その他にもストーリーの素材になるのは・・・

  1. 自身の体験談(成功も、失敗もOK!)
  2. 他人の体験談(知人、仲間、施主、人から聞いた話…)
  3. 有名人・著名人・歴史上の人物の話(ターゲット客が好きな人物など)
  4. 映画・書籍・小説・ TVドラマ ・漫画・歌(歌詞)から
    (ターゲット客が好きなモノなど)
  5. 名言・故事成語・ことわざ・逸話・格言
  6. ニュースや時事ネタ、 トリビア、都市伝説も・・・
  7. 法則・原則・物理・科学・数学も・・・

などがあります。

どんな人にでも、どんな商品にも、どんな会社にも、必ずストーリーがあります。
それを見つけて書いてみましょう。

(つづく)

著者プロフィール

井内 智哉
井内 智哉株式会社デザインアトラクト
2013年6月より、住宅業界専門のマーケティングコーチとして独立。現在は、工務店フランチャイズ本部や同業他社とも連携し、地域工務店のサポートや研修などを行う。2014年10月~2015年3月まで日本住宅新聞にて、歴代最年少執筆者として連載。

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