5、定期的に市場調査をする

①商圏内の変化が情報

前回、月刊ミニコミ紙の活用についてお話をしました。このミニコミ紙を毎月配布しながら、地域の変化情報を定期的に収集していくことは、販売促進において、とても有効な活動です。単に投函だけではなく、周りの状況をよく観察しながら市場調査を兼ねる努力をしましょう。また、反響チラシではないので、愛読者や自社ファンを増やすことが目的です。お役立ち情報や、継続して興味を持っていただける紙面構成にしましょう。「コト売り」を意識した紙面構成にして、暮らしや家事、健康、エコ等の情報に重点を置きます。そして、自社スタッフの他、各エリア毎に外部配布要員を配置していきましょう。出来れば、主婦の方がいいですね。自宅周辺に配布してもらうことから始めてみましょう。配布しながら、変化情報を発見したら、速やかに自社に報告してもらうことです。家の解体が始まった、“遣り方をしている”、“基礎工事が始まった”、“外壁や屋根の塗り替えをしている”など、自社のすぐ近所の変化情報に気づいていないこともよくあるのです。

 

②市場調査の意味

月刊ミニコミ紙を配布するということは、毎月、同じエリアを調査していくことになります。何回か配布していますと、ちょっとした変化情報にも敏感になってきます。ここがポイントです。配布する方の友人や知り合いが多い地域なら、情報収集もしやすく、情報量も必然的に多くなります。現在では、集客はポータルサイト系が主流になっていますが、自社エリアから探し出したニーズや情報からお客さまづくりを行うことがより確実です。ミニコミ紙の配布を通して、市場調査をしていきますと、まだ、そんなに表には出ていない情報が集まってきます。情報は、「鮮度」が命です。水面下にある新鮮な「潜在情報」を収集できるのは、市場調査を兼ねたミニコミ紙配布活動の賜物です。外回りの工事をしていて、いきなり近所に営業をかけるケースもよくありますが、実はこれによる契約上のトラブルが多くなっています。初めは売り込まない。どんなに外回りに不具合が見つかったとしても、いきなりの営業は禁物です。情報収集から始めましょう。

 

③情報をいち早く入手していくために

自社の現場を含め、リフォームや新築のすぐ近所では、まずは“そろそろわが家も何とかしなければ”という動機づけ同様のことが行われていると言ってよいと思います。そこで「売り込まず、売れる仕組み」を考えます。月刊ミニコミ紙は、暮らし情報で、営業的な内容は一切入れません。取材できるチラシのようであり、取っておいてもらえるチラシとも言えます。しかも、暮らしや家事、食事などをテーマにしていますので、紙面の記事を元に、取材をすることができます。通常はポストに投函しますが、OB客宅や知り合い宅では、インターホンを押して、「投函しておきますね」と伝えます。その際、今回のミニコミ紙の記事を取り上げて、自社ショップでも、関連したイベントを開催しますよ」とお伝えしましょう。できれば、手渡しをしたいので、玄関近くや庭に出ている可能性が高い、朝か夕方の配布がおススメです。数秒間の出会いではありますが、少しでも関心を持ってもらえれば、大きな一歩前進です。自社ファンを創り、育てていくことで、コツコツと、集客できる会社に成長していきます。

著者プロフィール

丹羽 啓勝
丹羽 啓勝株式会社スペース・デザイン研究所
昭和28年生まれ東京都葛飾区出身。昭和51年早大理工学部建築学科卒。準大手建設会社にて、建築工事管理担当。その後、住宅関連FC本部にてサービスシステム企画、開発、SV、教育研修等歴任。平成3年、現在の会社を設立。しばらくの間、大手から中堅ハウスメーカー、不動産会社、建築・リフォームのグループ、FC顧問を務める。現在は、地元密着、顧客密着している本物志向の中小工務店、リフォーム企業、建材店等を主な対象に、マネジメント力、マーケティング力、テクニカル力の3つのバランスの取れた経営環境づくりを支援。

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