9、現場のショールーム化

①目指したいのは「きれいな現場」です

建築現場は、一般的に「騒音、臭い、埃、車両など」でご近所にご迷惑をおかけしています。それでも、ご近所への挨拶は、始まるときと終わったときの2回程度・・・。これでいいのでしょうか?これだけで、その工事会社がいい会社だったという印象が残るでしょうか?また、お施主さまの立場だったらいかがでしょうか?ご近所に迷惑をかけて、挨拶もろくにしない。その結果、引き渡し後にお施主さまとご近所の仲が悪くなってしまうこともあり、後々のクレームの背景にもなります。住宅業プロは、このことを肝に銘じておかなくてはいけません。工事終了時に、お施主さまの満足はもちろん、ご近所の評判もよく、ご近所付き合いが一層深まったとなれば最高です。現場を鬼門にしてはいけません。クチコミで近隣に良き評判が広まるよう、現場内はいつもきれいに清掃と片づけ、整理整頓をしておきます。元請けも下請けも立場は同じ。目指すべきは「きれいな現場」です。

 

②「現場」を「お役立ち活動の場」に変える

きれいな現場にするには、時間を決めて毎日何度かの一斉清掃が有効です。朝一番、10時の休憩前、12時昼食休憩前、15時休憩前、そして作業終了時の計5回。お施主さまがたとえ裸足で現場に入られたとしても、足裏が汚れないくらいきれいに掃除をし、資材や道具類、機械類をきちんと整理整頓しておく。お施主さまに朝夕の工事に関してのホウレンソウやご近所へも定期的な工事進捗のお知らせし多少ご迷惑をかける工事の場合は、その前日のご挨拶も不可欠です。こういう現場の姿勢をお施主さまやご近所の方はよく見ています。その評判はクチコミで広まっていきます。さらに「迷惑な現場」から「役立つ現場」という印象を持ってもらえるようにご近所にお役立ち活動を実践していきます。ご近所へ「週間工事スケジュールのお知らせ」をし、出入りする職人さんの職種を事前にお知らせしておきます。また、10分程の小工事なら無料で提供するといったようなサービスも喜ばれます。

 

現場見学会は費用をかけない「お披露目会」にする

ここ最近は、新築に限らずどのような規模のリフォームでも、現場見学会を開催するようになりました。見学会というより「お披露目会」色のある催しです。先述のようにご近所にはご迷惑をおかけしていたのでそのお詫びや、またご近所からの次なる受注活動を兼ねて、さらにきれいになった姿を見てもらいたいというお施主さまの心理を考慮して企画開催します。参加者は、お施主さまの隣近所の方のほか、ご友人やお知り合い、ご親類の方などです。ご招待状を用意しますが現場見学会開催のチラシは不要です。工事中にお施主さまとご近所との関係を深めておきますと、こういうときに役立ちます。好印象を持っている隣近所の方が応援してくれるからです。開催時間は、2、3時間ほど。リフォームした動機、決断、工事中、そして、今の心境を、お施主さまにお話しをしていただきます。お施主さまが開催しているお披露目会というイメージです。

リフォームした現場の工事中の写真や動画をご覧いただくといった茶話会形式にします。こういうお施主さまは、自社にとってのお得意さまになっていただける候補にもなります。

著者プロフィール

丹羽 啓勝
丹羽 啓勝株式会社スペース・デザイン研究所
昭和28年生まれ東京都葛飾区出身。昭和51年早大理工学部建築学科卒。準大手建設会社にて、建築工事管理担当。その後、住宅関連FC本部にてサービスシステム企画、開発、SV、教育研修等歴任。平成3年、現在の会社を設立。しばらくの間、大手から中堅ハウスメーカー、不動産会社、建築・リフォームのグループ、FC顧問を務める。現在は、地元密着、顧客密着している本物志向の中小工務店、リフォーム企業、建材店等を主な対象に、マネジメント力、マーケティング力、テクニカル力の3つのバランスの取れた経営環境づくりを支援。

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