10、情報を共有化する

① 各自の行動計画を共有化する

成約率や成約金額を高めるために、まず取り組むべきことは、社内情報のオープン化です。情報をガラス張りにするということです。その第一歩が、社長以下全員の行動を時間単位で明確にしておくことです。パソコンで各自の行動管理をしている会社が増え、見える化も進歩しています。ただ、ここに一つ落とし穴があります。「どこに行く」は書いてあっても「何しに行く」という行動目的が明確になっていないケースをよく目にします。
たとえ目的が書いてあってもあいまいで、仕組みに沿った言葉や表現になっていないこともあります。そこで、アナログ的なミーティングが必要になってきます。「朝礼」と「夕礼」です。この2つを日々、繰り返していくことで、各自の行動の目的やその具体的な内容、事前に準備すべきことなどがみんなで共有できるようになります。朝礼は短く、夕礼はやや長くするのが原則です。行動計画は一般職で2週間単位、中間職で1~3か月です。

② 各自の顧客情報を共有化する

顧客情報を一元管理し社内で共有化しておくことは、安定受注上に於いて必須です。個々のお客さまが今、どういう段階まで進んでいるのか、どうしたらランクアップできるのか、現状と課題を社内みんなで共有します。そうすることによって、社内みんなの知恵や力を引き出すことができます。「受注の仕組み」に沿って、見込み客管理をしていきます。そうすると、いつ見込みのお客さまから電話があっても、ご来店されても、あたかも、社内全員がそのお客さまのことをよく知っているという対応ができます。これはお客さまにとって、とても安心できる環境です。リフォームの場合、集客、現調、提案、来社、クロージング、契約、工事、アフターといった流れです。現調する際、お客さまと一緒にインスペクション診断をしますと、より早くお客さまとの信頼関係が深まります。来社の際、会社の近所の現場案内をし、お施主さまやOB客との面談の機会を作ることで、クロージングも一層早まります。

③ 会議の仕方

では、ミーティングや会議の仕方はどうしたらよいでしょうか?大切なことは、会議する目的を特定時間内で達成することです。その時間は、「1時間」です。人の集中力は1時間が限界です。朝礼は10分、夕礼は20~30分ほどです。制限時間内に終わらせるためには、前もって各自の準備が不可欠です。テーマを事前に告知し、考えてもらい、会議で発言してもらいます。特定の人だけが発言する会議は、あまり意味がありません。朝夕のミーティングの場合、朝は前日までに準備をしておき、夕方は帰社してから10分ほどでまとめておきます。発言者は包み隠さず、正直に報告をします。叱る会議は時間のムダです。みんなで対策を考える時間を大切にしましょう。むしろ、小さなことでも成果につながることを日々継続実施していることがありましたら、みんなで称賛し合いましょう。良きことはすぐ実践し、そして継続していくことです。日々継続しているかを確認するのも、ミーティングの大事な目的でもあります。良き習慣ができれば、必ず会社としての生産性も高まっていきます。

著者プロフィール

丹羽 啓勝
丹羽 啓勝株式会社スペース・デザイン研究所
昭和28年生まれ東京都葛飾区出身。昭和51年早大理工学部建築学科卒。準大手建設会社にて、建築工事管理担当。その後、住宅関連FC本部にてサービスシステム企画、開発、SV、教育研修等歴任。平成3年、現在の会社を設立。しばらくの間、大手から中堅ハウスメーカー、不動産会社、建築・リフォームのグループ、FC顧問を務める。現在は、地元密着、顧客密着している本物志向の中小工務店、リフォーム企業、建材店等を主な対象に、マネジメント力、マーケティング力、テクニカル力の3つのバランスの取れた経営環境づくりを支援。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA