11、仕組み化の意義

① 「儲ける」から「儲かる」へ

「儲ける」と「儲かる」。
似たような言葉ですが、大きな違いがあります。儲けるは、一生懸命、売り込みをしながら受注活動をしていくこと。儲かるは、ある意味、自動的に売り上げが上がっていく仕組みです。一般的に、売り上げが好調なときはいいのですが低迷しだすと何とかしなくてはと、広告費を必要以上にかけて売り上げを伸ばそうと必死になります。反響営業がすでに終焉した昨今では安定的に受注を続けていくことが求められています。儲かる会社の体質にしていかなくてはいけません。その基本になるのが、仕組み化です。仕組みとは、現状から目標地点までの道のり、工程を創ることです。仕組みを創ることで、ムリ・ムラ・ムダが排除されていきます。新人を採用した場合、この工程に基づき日常活動してもらうので、早く育成でき戦力化できます。特に、女性の戦力化には不可欠です。仕組み化していく第一歩は、めざすべき目標を明確にしておくことからはじめましょう。

② 受注の仕組み化

受注の仕組み化の中で、住宅業界が最も注目しているのが、集客です。文字通り、客をいかに集めるか?ここにばかり関心が集まり過ぎているようです。そこで、考えるべきことは、どういうお客さまを集めるかです。価格重視のお客さまがいいのか?即断即決型のお客さまがいいのか?でも、こういうお客さまには、競争相手が多くいます。その中で勝ち抜いていくにはかなりの激戦が予想され、たとえ、受注しても利益があまり上がりません。これからは、同業他社が競って戦っている市場ではなく、「隙間市場=ニッチ市場」を見出し、そこに全力を注ぎましょう。エクステリアの場合、お客さまと一緒に外観の夢空間を描き育てていきます。中長期のお付き合いが絶対条件です。機能性や価格性ばかりに重点を置かず、わが家の顔をどう演出していくかです。最初のきっかけは小修繕かもしれません。でも、それをきっかけでお客さまとの信頼関が深まっていけば、会話も増えヒヤリンや提案もできるようになります。

③ 契約から工事へ

ヒヤリング・提案ができ、お客様カルテができてくると、的確な提案ができるようになります。お客さま満足度も必然的に高まっていきます。わが家のことを最もよく知ってもらっている、安心して相談できる、頼れる「住まいの町医者」に近づいています。価格競争に巻き込まれることもありません。さらに、ふだんから、自社ショップ内で、OB客中心のイベントや教室を開催しているので、そこに参加してもらうことで仲間意識も芽生えてきます。OB客が契約の後押しもしてくれます。そうなったら、一生懸命の追客やクロージングは不要です。契約当日は、表に看板を立て、「契約式」と称して、会社を挙げておもてなしとお祝いをします。こうまでしてくれる住宅会社は、商圏内には、まずいないでしょう。契約が多い会社は、一つひとつの契約に対する重要性を低くしがちです。会社は確かに忙しいのかもしれません。でも、お客さまからすれば、とても大切な行事です。契約後、工事着工までの数日間も大切です。毎日ホウレンソウを欠かさず行なうこと。
そして、気遣いあふれる工事へ。

著者プロフィール

丹羽 啓勝
丹羽 啓勝株式会社スペース・デザイン研究所
昭和28年生まれ東京都葛飾区出身。昭和51年早大理工学部建築学科卒。準大手建設会社にて、建築工事管理担当。その後、住宅関連FC本部にてサービスシステム企画、開発、SV、教育研修等歴任。平成3年、現在の会社を設立。しばらくの間、大手から中堅ハウスメーカー、不動産会社、建築・リフォームのグループ、FC顧問を務める。現在は、地元密着、顧客密着している本物志向の中小工務店、リフォーム企業、建材店等を主な対象に、マネジメント力、マーケティング力、テクニカル力の3つのバランスの取れた経営環境づくりを支援。

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