12、アフターサービスを高める

1.アフターサービス力を強化しましょう

お施主さまに対する工事中の気遣いは工事完了と同時に終了ではありません。工事中ご迷惑をおかけしたご近所に対してもアフターサービスを徹底していきましょう。これこそが、お施主さまだけではなく商圏内で様々な人とのご縁を作り深め広めていく基本になります。お施主さまに対するアフター基準では竣工後、1か月、3か月、6か月、1年が一般的で、その後は次第に関係が薄くなってしまいます。そこで重要になるのが、以前ご紹介した月刊ミニコミ紙の配布、自社ショップ内でのイベントの定期開催、小物商品のショップ内販売などは、普段からの来店を促進する仕組みです。これもまた、アフターサービスととらえることができます。訪問するばかりでなく、来店してもらうことでもアフターサービスになります。特にイベントは、誘い出しを通じて定期連絡ができます。月刊ミニコミ紙も、OB客宅にお届けしながら取材も会話もできますしまた、ご近所へ挨拶もできます。これらすべてがアフターサービスに含まれます。

 

2.ハードアフターとソフトアフターの2つが大切です

アフターにもハードとソフトがあります。ハードアフターは、工事をした箇所の定期点検です。ソフトアフターは、お客さまとの信頼関係をより深めていくための活動です。月刊ミニコミ紙の配布や取材もそうです。自社ショップでのイベントもそうです。さらに、自社でお世話をしたOB客同士の交流の輪を広げていくのも、ソフトアフターの一環です。また、エクステリアを施工したことで、お客さまご家族の絆が深まっていくこともソフトアフターになります。

家族総出でガーデニングが日課になったり、庭での飲食を頻繁になったことで、お隣さんも巻き込んで、ご近所付き合いが次第に活発になっていきます。家族の絆や心身の健康、エコなどをいつも気にかけ、寄り添いながらお手伝いしていくのもソフトアフターです。OB客の中から特技、趣味、習い事を把握し、自社ショップでの講師になってもらうことも大切な関係づくりです。行ったり来たりの関係を自社の強みを生かしながら強化していきます。

 

3.会社を挙げてお得意さまづくり

以上のような活動を通じて、次第に、一般の商売で言われる「お得意さま」が育っていきます。住宅業界で「商売の感覚」を磨いていくことは、とても大切なことです。どちらかというとこの業界は、技術優先、デザイン優先の世界です。しかし、この商売人の感覚を研ぎ澄ませていくことも、同じくらい大切なことです。お得意さまは自社ショップに頻繁に立ち寄ってくれます。イベント講師も積極的に務めてくれます。知り合いを連れて積極的にイベントに参加してくれます。イベントの最後に開催する茶話会や懇親会などでは話題を提供して自社とのつながりも話し、盛り上げてくれます。現場見学会などでは、集客や当日のお手伝いもしてくれます。バスツアーなどでは、初参加の方にいろいろと気遣いをしてくれて、場を盛り上げてくれます。ありがたい存在です。月刊ミニコミ紙をご自宅周辺にも配布してくれます。お得意さまこそが会社の真の財産、資産です。そうなることで、地域NO1の道も次第に拓けてきます。今日から、早速行動してまいりましょう。

著者プロフィール

丹羽 啓勝
丹羽 啓勝株式会社スペース・デザイン研究所
昭和28年生まれ東京都葛飾区出身。昭和51年早大理工学部建築学科卒。準大手建設会社にて、建築工事管理担当。その後、住宅関連FC本部にてサービスシステム企画、開発、SV、教育研修等歴任。平成3年、現在の会社を設立。しばらくの間、大手から中堅ハウスメーカー、不動産会社、建築・リフォームのグループ、FC顧問を務める。現在は、地元密着、顧客密着している本物志向の中小工務店、リフォーム企業、建材店等を主な対象に、マネジメント力、マーケティング力、テクニカル力の3つのバランスの取れた経営環境づくりを支援。

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