5.目を引く写真の撮影方法(スマホ編)

魅力的な写真があると、それだけで目を引きやすいです。ですが、何もかも全部の写真をプロのカメラマンに任せていてはお金が掛かりすぎてしまいます。

最近では、スマホで簡単にキレイな写真を撮ることができますので、自分たちでも手軽に撮影することが可能です。キレイな写真であれば、記録用としてだけでなく、自社のWEBサイトやニュースレター、販促物にも活用することができます。

ですが、どんなにカメラの性能が上がっても、基本がしっかりしていなければ素人っぽい写真になってしまいます。

今号では、スマホで撮影する時の基本をお届けします。

取り上げるが例が、エクステリアではないのですが、基本は同じですので、参考にしてみてください。

 

まず、初心者がスマホで撮影する時に押さえておきたいことは3つです。

  1. グリッドを表示させる
  2. 水平、垂直を意識する
  3. 構図を意識する。

 

1.グリッドを表示させる

建築を撮影するプロのカメラマンは、一眼レフやフィルムで撮影する時も、グリッドを表示して撮影しています。

なのでまずは、スマホ撮影時にグリッドが表示されるように設定を変更しましょう。

(今回はiPhoneでの説明をします。)

設定ボタンを押すと、沢山の設定メニューが出てきます。その中の「カメラ」を押してみてください。

すると、「グリッド」という項目があります。そこをONにしてください。

設定を終えた後、カメラを起動すると、下記のようなグリッドが表示されています。

グリッドが見えないと、この後にお伝えする、「水平、垂直」「構図」がうまく整いませんので、必ず表示するようにして撮影しましょう。

 

2.水平、垂直を意識する

プロが撮影した写真と、素人が撮影した写真の、大きな違いを一つ上げるとすれば、それは、「水平や垂直が取れている」かどうかです。写真をひと目見て、素人っぽさを感じる場合、大抵、水平や垂直が取れていません。

ですが、グリッドが表示されていれば、水平や垂直を取ることは簡単です。

下の写真は、レンズの歪みも影響して、ピッタリと水平や垂直ではないです。目で見てズレがわかるので、きれいに撮っているつもりでも、若干歪みを感じる写真になってしまっています。

 

3.構図を意識する

カメラの構図の中でも最も基本的な構図なのが、「三分割構図(三分割法)」です。

三分割構図

 画面の縦と横を3分割し、被写体を線上や線との交点(赤い点)に配置する考え方です。主役になる被写体をこの4つの赤い点のどれかにあわせます。

 

実は、表示したグリッドがそのまま三分割構図になっています。

左上:街  右上:オペラハウス  左下:テント屋根  右下:テント屋根

右上:シャンプー類 左縦線:猫脚 右縦線:猫脚

 

中心に写す定番の”日の丸構図”

被写体をど真ん中に持ってくる構図です。平凡な写真になりがちです。

 

シンプルで簡単に使える、”シンメトリー構図”

左右又は上下に対象となるように構図を配置して撮影します。

 

カメラを構える場所

カメラを構える場所は、被写体によっても異なりますが、基本は、

  • F:正面(正対)
  • G:真横
  • 7:斜め

の3方向となります。

プロのカメラマンをこれを基本として、撮影する前に必ず被写体の正面を探します。

正面(正対)の撮影の場合、力強く端正な印象を伝えたい時に効果的です。

斜めの撮影の場合、「奥行き」を出すために角度をつけた位置に構えます。「奥行き」の表現を考えずに適当な角度で撮ったりすると、素人っぽさが出てしまいます。

リフォームなどBeforeを撮影する際は、構図をあえて崩して、不格好さを演出するという方法もあります。

 

撮りためた写真はファイリングして、用途別の事例集にする

写真の枚数が揃うと、スペースやパーツごとの写真でファイリングをし、事例集として活用することも可能です。

「車庫まわり」「門扉・フェンス」「玄関まわり」「バルコニーまわり」「テラスまわり・庭まわり」「窓まわり」「外壁まわり」etc・・・などでまとめてみましょう。

(つづく)

著者プロフィール

井内 智哉
井内 智哉株式会社デザインアトラクト
2013年6月より、住宅業界専門のマーケティングコーチとして独立。現在は、工務店フランチャイズ本部や同業他社とも連携し、地域工務店のサポートや研修などを行う。2014年10月~2015年3月まで日本住宅新聞にて、歴代最年少執筆者として連載。