2、脱下請けへの具体策

具体策①身近なパートナーをつくる

脱下請けの第一歩は、社長のパートナーの存在です。ふつうは、社長の奥さまが第一候補です。社長のご姉妹、社長の娘さんということもあります。会社のすぐ近所の知り合いの奥さんということもあります。初めは、電話番、お店番からスタートです。でも、このパートナー、やがて大きな戦力になっていきます。電話掛けが気軽にできる方、

ハガキや手紙を書ける方、明るく元気で、素直な方がいいですね。専門知識は仕事しながら覚えていけば良いのです。これから、いろいろなお客さまを、自社のファンにしていく窓口になる方です。お客さまを会社にて日々接待してもらうことも、大切な仕事になっていきます。現場監督も、職人も、事務も、設計も、営業も、みんなマメな言動を心掛けてくれますと、組織内のホウレンソウ(報告・連絡・相談)が活性化し、組織が一体になり生産性が確実に上がることが目標です。

パートナーの存在、大です。

 

具体策②近所に自社のことを知ってもらうチラシを定期的に配ります

まずは、会社のすぐ近所から受注活動をスタートします。飛び込み営業をするのでは

ありません。こういう建築工事をこれから始めますという案内をご近所に定期的に撒きます。この案内をシリーズチラシ化します。玄関などのエントランス、外構、お庭のメンテナンスや楽しみ方の他、できれば住まいや暮らしで役立つ情報をシリーズでお伝えしていきます。商品情報を伝えるよりもお客様が喜んで見てもらうチラシ、役に立つチラシにします。社長の人柄が伝わるメッセージも毎回添えましょう。また、自社のホームページ(HP)アドレスを目立つように入れておきます。売り込み内容は入れず、お役に立つ内容を中心にすることも忘れないでください。HPは、トップページの社長メッセージと、それを受けて工事を発注していただいたお客さまメッセージがポイントになります。やがて、自社をショップ化したときには、日々来店につながるチラシやHPに掲載していきます。社長ブログは、まめに更新していきます。週に1回以上の頻度で。

 

具体策③“売り込まない会社”という姿勢でお客様と接する

これが、今後の受注活動でとても大事な印象になっていきます。お客さまは、売り込まれるのが嫌なのです。考える間もなく、要望を十分に聴いてもらえず、どんどん売り込まれることをとても警戒しています。事実、これがきっかけのトラブルも多発しています。警戒心に満ちた状況で商談成立はあり得ません。まずは、お客さまにココロを開いていただく環境づくりから始めます。これを「効果性」と言います。十分ココロが開いていただいたら、具体的な商談に入っていきます。段取りよく、分かりやすく、スピードある対応を心掛けていきます。これを「効率性」と言います。この順番を必ず守ることです。まずは、効果性、そして、次に効率性という順です。お客さまのお話を真剣にしっかりとお伺いする姿勢、観察する姿勢が、好印象に映ります。将来の夢なども語り合える関係になれれば、やがて、自社のお得意さま候補にも。

(つづく)

著者プロフィール

丹羽 啓勝
丹羽 啓勝株式会社スペース・デザイン研究所
昭和28年生まれ東京都葛飾区出身。昭和51年早大理工学部建築学科卒。準大手建設会社にて、建築工事管理担当。その後、住宅関連FC本部にてサービスシステム企画、開発、SV、教育研修等歴任。平成3年、現在の会社を設立。しばらくの間、大手から中堅ハウスメーカー、不動産会社、建築・リフォームのグループ、FC顧問を務める。現在は、地元密着、顧客密着している本物志向の中小工務店、リフォーム企業、建材店等を主な対象に、マネジメント力、マーケティング力、テクニカル力の3つのバランスの取れた経営環境づくりを支援。

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