7、提携先を開拓する

協力業者

自社と取引をしている協力業者の中で、リフォーム等の顕在情報を知り合いから入手して、その情報を活かし切れていないケースがよくあります。例えば、庭木の剪定をしている植木屋さん。毎年、顔を出している顧客先で、剪定作業をしていると、お客さまとの会話から、「冬場は特に寒い」とか、「夏場はやたらと暑い」などの断熱や梅雨時のお洗濯干しなどのお困りごとの話が出てきます。そして夏になると防犯のことも気になるようです。まだ、顕在化していないこういう情報を、協力業者経由で自社が入手したら。速やかに仕事として活かしていくには、どうしたらよいでしょうか?それにはまず、協力会なる組織を作り、毎月運営していきます。協力会は、「安全面」、「工程面」だけの集まりではなく、地域の潜在情報や顕在情報を積極的に情報交換し合い、活かし合う組織でもあります。職人さん同士の連携プレイが良くなりますと、現場の環境整備が進み、お施主さまやご近所の評判も高まっていきます。また、職人さんの奥さんも、重要な情報源になります。

商店提携

会社の近所で、社長や奥さん、社員、職人さんたちが日用品を購入したり、飲食しに行く、行きつけのお店があります。理美容のお店などもあります。こういうお店には、固定客がいます。特に、注目したいのが、日常主婦がよく行くお店です。例えば、“美容院”“お花屋さん”“クリーニング屋さん”など。“整体や鍼灸院”“ペットショップ”もそうです。こういうお店とふだんからお付き合いをしていますと、お客さまの情報交換が次第にできるようになります。これが「商店提携」です。自社をショップ化し、イベントや教室を企画開催していくとき、こういった異業種のお店の方にお手伝いしていただくことができます。それによって一層、相互の連携がさらに深まっていきます。美に関するテーマは、女性の関心の的です。お花では、フラワーアレンジメント教室が人気です。クリーニング屋さんでは、ちょっとした汚れやシミ落としのコツなど。整体では、コリほぐしのツボなどを、教室形式で定期開催していきます。

会社や保育園・幼稚園

商圏内にある一般企業との関係づくりも大切です。「法人提携」と言いますが、その企業内従業員の住まいをリフォームするとき、何かしらの特典を付けます。住まいの教室をその会社の昼休みなどに開催するのも効果的です。工場関係で食堂や売店がある場合は、昼休みの時間帯がチャンスです。展示コーナーを設けさせてもらうことができます。また、保育園や幼稚園も、若いお父さんやお母さんとの出会いの場になります。毎月、子どもたちに持たせる通信文の中に、自社の月刊ミニコミ紙も入れてもらいます。父兄を集めて「子育てしやすい住まいづくり」講習会を提案するのもいいですね。「子どもがスクスクと成長する住まい」、「家族に絆・思い出づくりが一層良くなるお庭」「ちょっと自慢な門まわり」などのテーマを提案し、季節ごとなど年に何度か講習会を開催していきます。子どもを通じて、お母さんたちのファンを増やしていきますと、次第にクチコミの輪が広がっていきます。働く主婦の採用にもつながってきます。自社ショップ内に、子どもの遊べるスペース(キッズコーナー)を創っておくことも喜ばれます。

著者プロフィール

丹羽 啓勝
丹羽 啓勝株式会社スペース・デザイン研究所
昭和28年生まれ東京都葛飾区出身。昭和51年早大理工学部建築学科卒。準大手建設会社にて、建築工事管理担当。その後、住宅関連FC本部にてサービスシステム企画、開発、SV、教育研修等歴任。平成3年、現在の会社を設立。しばらくの間、大手から中堅ハウスメーカー、不動産会社、建築・リフォームのグループ、FC顧問を務める。現在は、地元密着、顧客密着している本物志向の中小工務店、リフォーム企業、建材店等を主な対象に、マネジメント力、マーケティング力、テクニカル力の3つのバランスの取れた経営環境づくりを支援。

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